法藏館書店ニュース - 2024.09.26
臨済録のことば 禅の語録を読む【講談社学術文庫 2818】
答「三斤の麻」
一見ちんぷんかんぷんなこの問答。禅問答とはこのように不可解で、それを考え抜くことこそが修行だと思われてきた。しかし、問答が生まれた唐代の文脈に戻すと、思いがけないほど明晰で合理的なやりとりが立ち上がってくる。「ありのままで仏であり、仏性とともに躍動し、己れの外に何ら求める必要のない自己」を説いた臨済の生きたことばが、今あざやかによみがえる!
第一章 唐代の禅
第二章 宋代の禅――圜悟と大慧
第三章 『無門関』から日本近代の禅理解へ
第2部 『臨済録』導読――作品世界を読む
第一章 臨済の説法
第二章 事(じ)已(や)むを得ず――臨済院の説法
第三章 傍家波波地(ぼうけははじ)――自らを信じきれぬ者たち
第四章 未だ見処(けんじょ)有らざりし時――若き日の臨済
第五章 仏法無多子(むたす)――黄檗との因縁
第六章 ふたたび「祖師西来意」――祖仏と別ならず
第七章 無事(ぶじ)是れ貴人(きにん)――修行の否定と平常無事
第八章 無位の真人(しんにん)
第九章 空中の鈴の響き――臨済と普化