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実学思想の系譜【法蔵館文庫】

幕末志士らの行動の源泉ともなった実学思想の江戸中期から明治中期に及ぶ展開を辿り、維新遂行と迅速な近代化の遠因を追究する。

著者 源 了圓
大川 真 解説
出版社 法藏館
ジャンル 哲学・思想
歴史・資料 > 歴史
シリーズ 法蔵館文庫
出版年月日 2025/02/15
ISBN 9784831826893
判型・ページ数 文庫・368ページ
定価 本体1,400円+税
在庫 未刊・予約受付中
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幕末志士らの行動の源泉ともなった実学思想の江戸中期から明治中期に及ぶ展開を辿り、維新遂行や迅速な近代化の遠因を鮮やかに解き明かした思想史学の名著。解説=大川 真
まえがき

日本における実学思想の展開と近代化
 はじめに
 実学研究の意味Ⅰ―比較文化論として―
 実学研究の意味Ⅱ―近代化論として―
 近代化の三つのパターン
 近代化と儒教文化
 「実学」概念の変遷
 「実学」の成立
 中国における実学思想の展開と特色
 朝鮮における実学思想の展開と特色
 日本における実学思想の展開と特色
 実学における虚と実の構造

和魂洋才への道
 一 問題の輪郭
 強まる近代への傾斜/すすむ中国古典への理解/東
洋と西洋との出会い
 二 三浦梅園と二人の奇才
 三浦梅園の自然哲学/懐疑的精神/自然を師とせよ/条理の学/気と物/「鬱勃の神」と「混淪の物」/二人の奇才の登場/自由人の最後
 三 町人学者、山片蟠桃
 山片蟠桃の『夢之代』/鋭い批判的精神/西洋科学優位の理由/道徳と科学の関係/大町人の立場
 四 海保青陵と安藤昌益
 海保青陵をとりあげる理由/江戸時代最大のプラグマティスト/知恵の諸段階/社会経済的現象の解明/君臣は市道なり/ユニークな思想家安藤昌益/封建的イデオロギーへの徹底的批判/大自然に学ぶ/上下尊卑の価値観の否定/男女はあわせて一体/オランダへの関心
 五 幕末への架橋
 本多利明の課題/交通と貿易の開拓/ユニークな人口論/海洋国日本の自覚

幕末志士の悲願
 一 志士の登場
 志士とはなにか/志士的人間像の形成/町人化した
武士/人材はなぜ諸藩に多かったか/志士と学問、思想
 二 後期水戸学派の人々
 『新論』は志士のバイブル/後期水戸学の創始者藤田幽谷/会沢正志斎と『新論』/志士の中心人物藤田東湖
 三 佐久間象山と横井小楠
 和親条約以後の展開/代表的な幕末の志士/佐久間説と会沢説/洋学を学ぶ/日本を世界のなかでとらえる/「富国」を代表する横井小楠/三代の学/王道思想の徹底化
 四 吉田松陰の思想と行動
 志士的意識の極限/佐久間象山と出会う/象山と松陰の共通点と相違点/天下は一人の天下/「時の終わり」/むすび

実学史観の提唱

維新前後の実学思想と近代文学の成立
 序
 一 実学とはなにか
 二 幕末の実学と文学との関係
 三 改革的思想としての実学
 (イ)幕末における実学の出発点とその挫折/(ロ)兵学研究の歴史的意義
 四 幕末における三つの実学
 (イ)洋儒兼学の実学―佐久間象山の実学思想―/(ロ)儒教改革の実学―横井小楠の実学思想―/(ハ)先駆的洋学者―杉田成卿と箕作阮甫―
 五 近代的実学と近代文学の成立
 (イ)近代的実学の生誕/(ロ)洋学者と近代文学との関係
 結び

教育者としての福沢諭吉
 はしがき
 福沢の自覚
 思想家としての福沢諭吉
 開発主義の教育観
 実業者を作るに在り
 政治と教育の分離
 結び

北村透谷論
 一 問題への視角
 二 二世界説的原体験
 三 日本的愛への批判
 四 実用主義の文学への批判
 五 「快楽」の文学と「実用」の文学の統合の試み―内部生命論の成立―
 六 透谷の内部生命の思想とエマーソンの先験思想との比較

日本の「実学」について

あとがき

〔付記〕最近の実学研究の現状

解説 「虚」と「実」を超えた「実学」の提唱(大川真)

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