法藏館書店ニュース - 2026.03.27
間宗教テクスト論
中世日本の宗教世界
1 中世宗教テクストの相貌
2 〈間宗教テクスト〉とは何か
第Ⅰ部 聖徳太子と〈間宗教テクスト〉
序 説 仏教神話としての聖徳太子伝
第1章 海を越えた聖典
――〈間宗教テクスト〉としての伝記と聖遺物
はじめに ―― 転生する聖徳太子
1 仏法伝来を象る慧思再誕説と法華経
2 〝聖遺物〟と化した細字法華経
3 太子「前生所持経」の創出 ―― 定海勘文
おわりに ―― 太子像に籠められた細字法華経
第2章 片岡山飢人伝承の生成と変成
――〈間宗教テクスト〉による共有知
はじめに ――〈間宗教テクスト〉としての片岡山飢人伝承
1 『書紀』と『霊異記』の差異
2 片岡山伝承の生成
3 仏教説話と和歌における片岡山説話の展開
4 片岡山飢人伝承の解釈学と物語化
5 中世宗教権門間抗争の焦点
おわりに ―― 飢人伝承を創成する〈間宗教テクスト〉
第3章 片岡山飢人説話再考
―― 光定『伝述一心戒文』が創出する仏教神話
はじめに ―― 古代太子伝と仏教神話の創成
1 最澄の太子崇敬と『天台法華宗付法縁起』
2 光定『伝述一心戒文』の伝言(メッセージ)
おわりに ――『伝述一心戒文』による仏教神話創成
第4章 南無仏太子像の文化的記憶
はじめに ―― 南無仏太子の誕生
1 拳内御舎利と南無仏太子の生成
2 太子童子形図像の展開と南無仏太子像の誕生
3 南無仏太子像内納入〈間宗教テクスト〉の世界
おわりに ―― 南無仏太子像の文化的記憶
第Ⅱ部 〈間宗教テクスト〉の表現主体
序 説 〈間宗教テクスト〉の越境者たち
第5章 貞慶と慈円
――〈間宗教テクスト〉の楕円宗教空間
はじめに ―― 貞慶と慈円の二重焦点
1 貞慶の宗教テクスト創成 ―― 自利利他の実践
2 慈円の宗教テクスト創成 ―― 真俗二諦の実現
おわりに ―― 中世宗教世界を生みだす主体
第6章 秘伝の領域
―― 慈円と聖徳太子伝
はじめに ―― 中世の密教伝授テクスト体系
1 慈円における「秘事口伝」の認識と実践
2 『毗逝別』における「秘伝」の輪郭
3 『毗逝別』秘伝言説の創成
4 慈円の太子崇敬と秘伝
おわりに ――〈間宗教テクスト〉としての秘事口伝
第7章 六道語りの系譜
はじめに ―― 慈円『六道釈』は何をもたらしたか
1 慈円をめぐる諸位相の六道語り
2 女院の六道語りと慈円の接点
おわりに ―― 雪の朝に交わされた歌
第8章 越境者の〈間宗教テクスト〉
―― 西行と後深草院二条
はじめに ――「西行」という〝越境〟
1 越境する西行
2 『とはずがたり』における二条の越境
おわりに ―― 開かれた可能性としての西行と二条
第9章 歌う聖
―― 聖の詠歌行為
はじめに ―― 僧侶の詠歌をめぐって
1 空也の歌
2 行基の歌
3 僧賀の歌
おわりに ―― 聖の歌の地平へ
第10章 歌を書きつける聖
―― 西行・一遍・覚如の系譜
はじめに ―― モノに書かれる歌
1 歌を書きつける西行
2 詠歌を書きつける聖たち ―― 空也と達磨
3 絵伝中に歌を書きつける聖 ―― 一遍・他阿・覚如
おわりに ―― 詠歌を書きつける聖のはたらき
第11章 縁起を創る聖
――『一遍聖絵』縁起の諸位相
はじめに ―― 巡礼記としての『聖絵』
1 『聖絵』における一遍の寺社霊場参詣
2 『聖絵』における縁起説の諸位相
3 一遍による縁起の探求と生成
4 書写山縁起の性空と『聖絵』の一遍
おわりに ―― 祖師絵伝に創成される縁起説
第12章 参宮する聖
はじめに ――「参宮」とは何か
1 伊勢に参る西行とその歌
2 〝参宮する西行〟の諸テクスト
3 西行に倣う参宮記としての『とはずがたり』
おわりに ―― 参宮記という〈間宗教テクスト〉
第13章 捨身する尼と代受苦
――『とはずがたり』と泣不動説話
はじめに ―― 宗教文学としての『とはずがたり』
1 崩御記と御産記を結ぶ「命に代りたる本尊」
2 泣不動説話の展開と変奏
3 泣不動説話が照らす宗教的文脈
おわりに ――「隠れたる信」を体現する
第Ⅲ部 論争を記憶する〈間宗教テクスト〉
序 説 聖俗を懸け渡す
――〈間宗教テクスト〉の基底と展開
第14章 論義と宗論の文化史
――〈間宗教テクスト〉の母胎(マトリックス)
はじめに ―― 論義とは何か
1 日本仏教における論義
2 論義法会としての維摩会の意義と表象
3 論義が生みだす公共言説空間と宗論
4 仏教世界の内部と外部を媒介する宗論
5 宗教文芸テクストの母胎となる論義と宗論
おわりに ――〈間宗教テクスト〉の母胎
第15章 破邪顕正の系譜
―― 宗論テクストの諸相と展開
はじめに ―― 中世仏教の動態を映し出す宗論
1 「破邪顕正」の連環 ―― 顕密仏教内外にわたる宗論の連鎖
2 中世宗論と諸宗論の焦点としての禅
3 再発見される中世宗論と諸宗論
おわりに ―― 宗論から展望される〈間宗教テクスト〉の可能性
第16章 悲母を勧進する
―― 源信と覚超の講式・伝記・仮名法語
はじめに ――〈間宗教テクスト〉概念による課題の再設定
1 覚超の修善講式と登曽津物語
2 恵心僧都とその母の往生物語
3 源信仮託仮名法語『真如観』のメッセージ
4 ハーバード美術館「異本真如観」からの照射
おわりに ―― 源信に託すテクストと恵心を語るテクスト
第17章 迎講を伝承する
―― 往生儀礼の語り口
はじめに ―― 迎講とは何か、その創成と源信
1 源信による迎講創始伝承
2 丹後天橋立の迎講創始説話
3 『今昔物語集』の迎講説話
おわりに ―― 迎講という〈間宗教テクスト〉儀礼
第18章 抗争からの遁走
――『秋夜長物語』の3つの文脈
はじめに ―― 宗教テクストとしての『秋夜長物語』
1 宗論の焦点 ―― 山寺抗争の文脈
2 神の随喜 ―― 新羅明神夢想託宣説話の文脈
3 和歌による救い ―― 西行と瞻西の唱和の文脈
おわりに ――〈間宗教テクスト〉としての『秋夜長物語』
第19章 紙上の伽藍
――『桂地蔵記』の創成主体
はじめに ――室町時代の「記」と「日記」
1 中世真名本としての『桂地蔵記』
2 『桂地蔵記』の構成と方法
3 『桂地蔵記』の表現世界と意図
4 『看聞日記』の桂地蔵一件と伏見宮継承
おわりに ――『桂地蔵記』のメッセージ
終 章 戯笑する宗論・詠歌・法語
1 宗論する異類と絵巻
2 遊戯する聖の歌と魔界
3 相克する教化と法語
4 越境する慈円
注
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