新聞掲載広告(2024年9月~) - 2025.08.22
死の所有 増補新装版
死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学
死刑、安楽死、脳死、殺人、戦争、動物利用――「人格」「所有」という近代的概念が可能にしている“死をめぐる思考"を問い直し、社会制度や宗教文化をふまえた、私たちの死生観の深層を探る。
和辻哲郎文化賞、中村元賞を受賞した『人格知識論の生成』から、さらに現代の課題に挑む渾身の作。
新たに補章「死の害についての『対称性議論』」を追加。
初版まえがき
序章 「涙の哲学」に向けて――「死」の誕生
第1章 死刑不可能論――死刑存廃論に潜む倒錯
第2章 「死ぬ権利」の欺瞞――安楽死の陥穽
第3章 生命倫理と死ぬ主体――胎児、代理母、クローン、そして死にゆく人
第4章 殺人者の人格性――虚構なのか適応なのか
第5章 殺された人の非存在性――「害グラデーション説」の試み
第6章 戦争という法外な殺戮――戦争をめぐる事実と規範
第7章 動物たちの叫び――動物実験と肉食の彼方
終章 死に基づく認識論――生と死を貫く同一性
補章 死の害についての「対称性議論」――「害グラデーション説」から「因果連続モデル」へ