死と生 【新潮新書774】

著者 佐伯 啓思
出版社 新潮社
ジャンル 入門・お経・実用 > 生・死、福祉・医療
シリーズ 新潮新書
出版年月日 2018/07/20
ISBN 9784106107740
判型・ページ数 新書・222ページ
定価 本体760円+税
在庫 お取り寄せ
「死」。それは古今東西、あらゆる思想家、宗教家が向きあってきた大問題である。「死ぬ」とはどういうことなのか。「あの世」はあるのか。「自分」が死んだら、「世界」はどうなるのか――。先人たちは「死」をどう考えてきたのか、宗教は「死」をどう捉えているのかを踏まえながら、人間にとって最大の謎を、稀代の思想家が柔らかな筆致で徹底的に追究する。超高齢化社会で静かに死ぬための心構えを示す、唯一無二の論考。
まえがき

第一章 超高齢化社会で静かに死ぬために

今日の世界が明日は否定される社会/年寄りが「生きた粗大ゴミ」になる/孤独に老いてゆくこと/成長主義に背を向けた「人生フルーツ」の愉楽/今日における「隠遁」の実験

第二章 「一人では死ねない」という現実を知る

死ぬと、世界はどうなるか/本当に恐ろしいのは「死に方」である/「生と呼べない生」への不安/人は一人では死ねない/死によって励まされる/『自死という生き方』について/きわめて積極的で肯定的な

第三章 われわれは何ひとつわからない

「答え」の出ないやっかいな「問い」/人間を超えた圧倒的な「力」/「絶対的な無意味」の不気味さ/誰も論じられない/「不気味さ」の正体とは/なぜ「死」を恐ろしく感じるか/「死」を考えることをやめてみる/ニヒリズムからの脱出

第四章 死後の世界と生命について

「死んだ後に何が起きるか」/「霊的」なものの正体とは/とてつもない苦からの救済/トルストイの絶望からの「死生観」/「ありのままの生」と「死の戯れ」/私とは何なのだろうか/キリストとトルストイ

第五章 トルストイが到達した「死生観」

「すべて偽物で無意味」という虚無/「個人」を超えた「生命」とは何か/「生命」は死後も続くのか/罪の意識と自我について/人間が背負う「罪深さ」/死ねばすべては「無」になる/無意味だからこそ「何か」がある

第六章 仏教の輪廻に見る地獄

源信『往生要集』での人間の煩悩/仏教には「私」が存在しない/現代で正気を保つために/日本人流の因果応報とは/「無私」「無我」と「無自性」を知る/前世や来世はあるのか/「地獄」とは何か

第七章 「あの世」を信じるということ

「死後の世界」を信じる若者たち/「あの世」を信じられない高齢者/おぞましい「孤独死」の恐怖/「植物的死生観」と「生死連続観」/鎮魂呪術と日本人/生命力の再生とは霊魂の清め/「幽世」と「顕世」という意識

第八章 人間は死ねばどこへゆくのか――浄土と此土

宗教を信じなくても/死ねばどこへゆくのか/すべては有為無常/浄土教は何を説いたか/親鸞の「絶対他力」と「極楽往生」/「死」は絶対的な救済である/浄土とは何なのか

第九章 「死の哲学」と「無の思想」――西部邁の自死について

西部邁さんの人生観/「無」についての「論争」/「死んだら何もない」/「絶対的な無」とは何か/「現世は、空しい」/苦からの解放のために/「はじめに無明ありき」/「ほんまに、死にとうない」

第十章 「死」と日本人――生死を超えた「無」の世界

「生も死も無意味」を問う/「生きる術」と「死ぬ術」/欲望や快楽に縛られている無様/死という敵とつきあうには/「日常のなかにこそ覚りはある」/「不生不滅」「不生不死」の真理/美醜や善悪を超える「無」/日本人にとっての「死」

あとがき

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