殺生と往生のあいだ 【歴史文化ライブラリー414】

中世仏教と民衆生活

著者 苅米 一志
出版社 吉川弘文館
ジャンル 歴史・資料 > 歴史
出版年月日 2015/12/01
ISBN 9784642058148
判型・ページ数 4-6・216ページ
定価 本体1,700円+税
在庫 在庫あり
動物を殺し、食べることは罪なのか? 浄土教が浸透して地獄の観念が広まり、動物の生命をうばう殺生が罪とされた中世。狩猟や漁業が全面的に禁止となり、そこにたずさわる人々が弾圧された。実際には肉や魚を食べる矛盾を抱えつつ、なぜそのような宗教的差別が行われたのか。狩猟や漁業という生業にたずさわる人々と宗教の関係を探る。殺戮をなりわいとする武士の苦悩にも触れ、中世の文化や宗教の特質を「殺生」というキーワードから考える。
生命について考える―プロローグ

古代国家と「殺生」
 狩猟・漁撈の重み
 仏教の伝来と戒律思想
 「殺生」と「放生」をめぐる国家の政策
中世のはじまりと殺生罪業観
 地獄と極楽
 白河上皇による「殺生禁断」策
寺院・神社による「殺生禁断」
 中世民衆と狩猟・漁撈の世界
 寺院による「殺生禁断」
 神社による自然の利用と排除の論理
荘園と「殺生禁断」 
 荘園の住人と領主権力
 荘園領主法としての「殺生禁断」
 殺生仏果観の形成
殺生と武士の苦悩
 西大寺叡尊の殺生禁断活動
 殺生人としての武士
 内乱の展開と罪業観

政策と論理のはざまで―エピローグ

あとがき
参考文献

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