新刊チラシ(2025年刊行分) - 2025.09.01
熊楠の神
熊野異界と海人族伝説
海外遊学で当時の最先端の学問にひたり帰国した南方熊楠は「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されるずっと以前に、神域の森や熊野古道の環境、人々の営みの中に、価値を見出していた。
熊野こそは日本古来の神道に直結する「奇跡の信仰地」であり、縄文の精霊信仰が図らずも命脈を保っている稀有な世界である。
三十数年前、南方熊楠の旧宅を訪ね、不思議な生命力を感じた著者が、知の巨人・南方熊楠をとおして日本人の神道信仰の原点を探った意欲作。
熊楠の血脈について
祭祀氏族 ほか
第2章 【精霊】熊野の神―家都美御子の正体
熊野神の正体
まず、神林あり。 ほか
第3章 【異界】熊野と常世―死の国・補陀洛へ
地の果て
熊野権現垂迹縁起 ほか
第4章 【詛言】熊楠と言霊―熊野への黄泉がえり
「祟り」ということ
言挙げする熊楠 ほか
第5章 【反転】熊楠と神―「さかさまの世と相成りたるに候」
熊楠の神道観
狂人か神か ほか