熊楠の神

熊野異界と海人族伝説

著者 戸矢 学
出版社 方丈社
ジャンル 民俗・信仰
出版年月日 2022/11/30
ISBN 9784910818016
判型・ページ数 4-6・291ページ
定価 本体1,800円+税
在庫 在庫あり
熊野は熊野川、那智の瀧、神蔵山の巨岩など、ほぼその全域が神霊が招き寄せられるという「依り代」に満ち満ちている。
海外遊学で当時の最先端の学問にひたり帰国した南方熊楠は「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されるずっと以前に、神域の森や熊野古道の環境、人々の営みの中に、価値を見出していた。

熊野こそは日本古来の神道に直結する「奇跡の信仰地」であり、縄文の精霊信仰が図らずも命脈を保っている稀有な世界である。
三十数年前、南方熊楠の旧宅を訪ね、不思議な生命力を感じた著者が、知の巨人・南方熊楠をとおして日本人の神道信仰の原点を探った意欲作。
第1章 【血脈】熊楠と海人族―オオヒルメ伝説が暗示する聖なる血脈
 熊楠の血脈について
 祭祀氏族 ほか

第2章 【精霊】熊野の神―家都美御子の正体
 熊野神の正体
 まず、神林あり。 ほか

第3章 【異界】熊野と常世―死の国・補陀洛へ
 地の果て
 熊野権現垂迹縁起 ほか

第4章 【詛言】熊楠と言霊―熊野への黄泉がえり
 「祟り」ということ
 言挙げする熊楠 ほか

第5章 【反転】熊楠と神―「さかさまの世と相成りたるに候」
 熊楠の神道観
 狂人か神か ほか

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