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折口信夫の戦後天皇論【法蔵館文庫】 (文庫)

戦後「人間」となった天皇に、折口はいかなる可能性を見出そうとしたのか。折口学の深淵を解読し、折口理解の新地平を切り拓いた労作

著者 中村 生雄
三浦 佑之 解説
出版社 法藏館
ジャンル 歴史・資料 > 歴史
シリーズ 法蔵館文庫
出版年月日 2020/05/15
ISBN 9784831826084
判型・ページ数 文庫・354ページ
定価 本体1,300円+税
在庫 在庫あり
戦後「人間」となった天皇に、折口はいかなる可能性を見出そうとしたのか。折口学の深淵を解読し、折口理解の新地平を切り拓いた労作。
第Ⅰ部 折口信夫の戦後天皇論

1「女帝考」はなぜ書かれたか

敗戦の衝撃と象徴天皇制/〈神の嫁〉というメタファー/ナカツスメラミコトと宮廷高巫/「系図につながる神」の否定

2日本神道の〈対抗宗教改革〉プラン

折口信夫の敗戦認識/「われ神にあらず」/「天子非即神論」にいたるまで/「むすび」の神による〈対抗宗教改革〉/「系図につながる神」とは何か/神道宗教化のゆくえ



第Ⅱ部 折口古代学の基礎理論

1 神と精霊の対立というパラダイム

〈海やまのあひだ〉の旅/海の神と山の神の交替/日本の神の系統論の挫折/神と精霊の対立というパラダイム/文学・芸能・国家をつらぬく一般理論/昭和三年の折口古代学

2 〈神〉観念と〈性〉のメタファー

〈新嘗の女〉のイメージ/〈タマヨリヒメ〉から〈神の嫁〉へ/神と精霊の対立/精霊の〈性〉の分化/〈まひびと〉のゆくえ



第Ⅲ部 折口信夫と柳田国男

1 『古代研究』の成立まで

「類化性能」と「別化性能」/柳田賛辞の裏側/柳田国男からの離脱/蓋然から生まれる学問/「新しい国学」の筋立て/柳田の神道批判と〈新国学〉

2 〈新国学〉の戦前と戦後

戦中の柳田国男と折口信夫/硫黄島の藤井春洋/『先祖の話』前後/「働かねばならぬ世」/「新国学談」と神道のゆくえ/なぜ〈新国学〉か?/〈一国民俗学〉のオートマティズム/失敗した〈新国学〉



第Ⅳ部 終章

いま折口信夫をどう読むか

学問におけるスケープゴートづくり/折口学の〈体系〉は崩壊するのか?/折口批判において「戦争責任」とは何か?



あとがき

初出一覧

解  説(三浦佑之)

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