奈良時代の官人社会と仏教 【日本仏教史研究叢書】

国家的な写経事業に関わった写経所官人は、仏教を在地社会へ伝える媒介者であった。正倉院文書から仏教受容の過程を蘇らせた1冊。

著者 大艸 啓
出版社 法藏館
ジャンル 歴史・資料 > 歴史
シリーズ 叢書 > 日本仏教史研究叢書
出版年月日 2014/10/20
ISBN 9784831860422
判型・ページ数 4-6・248ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり
国家的な写経事業にかかわった写経所官人。彼らは仏教が国家から在地社会へ伝わる上での媒介者でもあった。正倉院文書から仏教受容の過程を鮮やかに蘇らせた1冊。
凡例

序章 古代仏教史研究と官人社会への視座
 第一節 問題の所在
 第二節 本書の構成

第一章 写経所官人と仏教
 はじめに
 第一節 写経所官人の私的仏事
  1 請暇解に見る仏事と信仰
  2 斎食と僧尼屈請
 第二節 追善法会と古代社会
  1 追善法会の受容
  2 『東大寺諷誦文稿』に見る法会の性格
 第三節 写経所官人の存在形態
 おわりに

第二章 造東大寺司における官人社会 「阿弥陀悔過知識交名」に見る
 はじめに
 第一節 「阿弥陀悔過知識交名」の概要
 第二節 知識参加者の動向分析
 第三節 知識の結集過程
 第四節 造東大寺司における官人社会の特性
 おわりに

第三章 造東大寺司における僧俗関係
 はじめに
 第一節 僧正美状
 第二節 仏典奉請に見る写経所官人と僧
  1 仏典奉請に関する史料
  2 写経所の奉請システムと文書行政
  3 写経所実務の現場
  4 蔵書情報と写経所
 おわりに

第四章 造東大寺司と法会事業
 はじめに
 第一節 天平宝字四年の随求壇所事業
  1 事業内容
  2 仏事の目的
  3 組織の構成員
 第二節 天平宝字八年の上山寺・吉祥悔過所事業
  1 事業内容
  2 組織の構成員
 第三節 造東大寺司行政としての法会事業
 おわりに

第五章 正倉院文書に見える「供奉礼仏」
 はじめに
 第一節 上日帳の性格
  1 天平二十年帳と勝宝元年帳
  2 考中行事
 第二節 考中行事としての「供奉礼仏」
 第三節 「供奉礼仏」に見る法会と官人
 第四節 勝宝元年帳の記載
 おわりに

終章 古代の都市社会と仏教
 第一節 官人社会と仏教
 第二節 古代都市論への視角
 第三節 都市社会と仏教信仰

あとがき

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