新聞掲載広告(2024年9月~) - 2024.11.19
綱要 【五山版中国禅籍叢刊4】
宗鏡録
中国が生んだ多くの仏教文献の中で、もっとも浩瀚ながらもっとも読まれているのが『宗鏡録』一百巻であり、本巻はこの一書のみを収録。本書は、教禅一致の立場から諸宗の教義を体系化した仏教総論であるため、宋代以降のすべての大蔵経に入蔵し、宗派を超えて今日まで大きな影響を及ぼしてきた。だが、撰者の永明延寿はれっきとした法眼宗第三世の禅者。たしかに、本書は標宗・問答・引証の三章から成るが、さいごの引証章は一心を中心テーマとし、禅門語句の引用で彩られる。伝本稀少の五山版のうち、本巻に収めるのは大東急記念文庫所蔵の初印善本。浩瀚で版本が多いことからテキスト研究が未解明な本書にとって、この影印は大きな貢献となる。
宗鏡録
解題
解題