新聞掲載広告(2024年9月~) - 2024.11.19
中世の禅宗と日元交流
14世紀において、国家の新しい体制仏教として位置づけられるようになった禅宗。元との交流のなかで、禅宗が発展していく過程を、『元亨釈書(げんこうしゃくしょ)』を編んだ虎関師錬(こかんしれん)ら禅僧の活動から追究。五山禅林の思想・教学、仏事法会を通しての公武権力への関わりや、中国宋元仏教との関係を、仏教史のみならず対外関係史研究の視点などから解き明かした注目の書。
序章 十四世紀の宗教史と中世禅宗史の課題/『元亨釈書』の歴史構想における顕密仏教と禅宗(『元亨釈書』の構成と顕密仏教/公武権力者と禅宗)/中国の台禅論争と虎関師錬(虎関師錬と天台宗の教判/虎関師錬と『仏祖統紀』『伝法正宗記』)/南北朝期における幕府の鎮魂仏事と五山禅林─文和三年の水陸会を中心に(武家鎮魂施策への参入─暦応・康永年間(一三三八~一三四五)/観応の擾乱後における鎮魂水陸会と室町幕府/鎮魂水陸会と入元僧)/五山禅林への袈裟下賜と室町殿─金襴と紫衣を中心に(「金襴紫衣」と夢窓疎石/金襴袈裟・紫衣と室町殿)/東福寺円爾の伝法衣と中世禅宗の法脈意識(宋元禅林における「伝衣」と「楊岐法衣」/『元亨釈書』『聖一国師年譜』にみる円爾伝法衣/「密庵法衣」「楊岐法衣」言説の展開)/終章 十四世紀の五山禅林と大元ウルス時代の江南禅宗文化圏