話題の本【書評】(2024年9月~) - 2025.08.18
古代日本の儀礼と音楽・芸能
場の論理から奏楽の脈絡を読む
人間の営みとしての音楽・芸能について、演奏と視聴という行為が繰り広げられた時間と空間=「場」が、どのような論理のもとで機能していたのかを検証。
正史・日記・儀式書などの記録類に見られる奏楽記事の精緻な読み解きや大陸音楽との比較を通して、奏楽が行われた儀礼の意義や展開をとらえるとともに、それぞれの場で選択された音楽や芸能の法則性(脈絡)や、君臣関係との結びつき、政治的・社会的意義を明らかにする。
第一部 大陸音楽の導入と展開
第一章 古代日本における葬送儀礼の芸能―大陸文化の導入とその政治的側面
第二章 踏歌節会の構造とその政治的意義―奈良時代を中心に
第三章 煬帝の百戯と日本の正月中旬饗宴儀礼―儀礼における奏楽の政治的意義について
第四章 中国の百戯と日本の相撲儀礼
第二部 雅楽寮と左右近衛府の奏楽
第一章 五月五日節における芸能
第二章 旬儀と宴の奏楽―平安前期の奉献的儀礼と左右近衛府の芸能
第三章 律令的秩序と雅楽寮の奏楽―二宮大饗、大臣大饗、列見・定考、御斎会を中心に
第三部 君臣関係と儀礼、その表象としての奏楽
第一章 内宴・菊花宴と内教坊の奏楽―嵯峨天皇の政策を中心に
第二章 男踏歌に関する基礎的考察
第三章 平安時代の臨時祭における《東遊》
終章