説話の東アジア

『今昔物語集』を中心に

著者 高 陽
出版社 勉誠出版
ジャンル 文学・随筆
哲学・思想 > 仏教哲学・思想
出版年月日 2021/10/01
ISBN 9784585390046
判型・ページ数 A5・451ページ
定価 本体12,000円+税
在庫 在庫あり
宗教と文学の両面から、様々な読まれ方をしてきた『今昔物語集』。
多くの文学者や研究者が説話の宝庫として注目することで、『今昔物語集』は「古典」となったと言える。

本書では、天竺説話の舞台でもある須弥山世界観の検証、これまで本格的に検証されていなかった天竺の無熱池論、『大唐西域記』など東アジア漢文諸資料から、図像資料などともあわせて、その表現過程の変遷について検証する。
また、中国古典や漢訳仏典を博捜し、『今昔物語集』を世界文学としての面から新たに位置づけようとした南方熊楠の方法論を、『太平広記』や『夷堅志』、『聊斎志異』への書き込みなどから解明する。
序章 今昔物語集の東アジア世界はどのように形成されたか

第一編 須弥山と天竺の説話世界
 第一章 須弥山と天上世界
 第二章 東アジアの須弥山図
 第三章 須弥山と芥子
 第四章 天竺神話のいくさをめぐって
 第五章 天竺無熱池の説話と図像
 第六章 仏伝の鉢説話考
 第七章 『大唐西域記』と金沢文庫保管の説草・『西域記伝抄』
 第八章 『大唐西域記』と金沢文庫保管の『西域伝堪文』
 第九章 悪龍伝説の旅

第二編 説話の受容と変容
 第一章 『今昔物語集』における「聖」「聖人」の用語意識
 第二章 日本中世の孔子説話
 第三章 『今昔物語集』における僧の天界往還夢説話
 第四章 鳥としての天狗の源流考
 第五章 女犯聖人説話考
 第六章 后と聖人
 第七章 説話文学から大衆文学へ

第三編 南方熊楠と説話世界
 第一章 南方熊楠の比較説話をめぐる書き込み
 第二章 南方熊楠の書き込みに関する研究
 第三章 南方熊楠と宋代の『夷堅志』
 第四章 南方熊楠と『聊斎志異』

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