話題の本【書評】(2024年9月~) - 2025.08.18
模索する現代【近代日本宗教史6】
昭和後期~平成期
本論では、戦前への反省から戦われる政教分離訴訟や、葬式のプレゼンスの低下から新たな道を模索する仏教、伝統宗教離れが進む一方で拡大したスピリチュアル市場の論理、資本主義の閉塞感とそれを打破しようとする言説、日本の他者としての沖縄、水俣病と宗教の関わり、精神世界ブームからグリーフケアまでの移り変わりが取り上げられる。
コラムでは近年のパワースポットブーム、人口減少下での組織維持の取り組み、子宮系と呼ばれるスピリチュアリティ、東日本大震災後の人文学、災害ボランティアとしての宗教、日本仏教の生命倫理問題への応答が扱われる。
第二章 政教分離訴訟の展開 ――争われ続けてきた「宗教」 塚田穂高
第三章 葬祭仏教と社会参加仏教 高橋 原
第四章 消費社会と宗教の変容 ――聖なるものへの奉献から自己への奉献/投資へ 堀江宗正
第五章 ポスト世俗主義時代の技術と資本主義、そしてアニメの潜在性 川村覚文
第六章 縮図としての沖縄 及川 高
第七章 癒しの力としての宗教・水俣 飯嶋秀治
第八章 霊性と宗教 ――平成期 鎌田東二