なぜ、私たちは差別するのか。宗教学、社会学、政治学、人類学、民俗学、歴史学など多角的立場から、固定化された差別観を覆し、宗教に内在する、秩序と差別の構造に迫る画期的シリーズ、待望の第1巻。
【第1巻 目次】
【巻頭言】(磯前順一・吉村智博・浅居明彦)
【序章】「聖なるもの」と「統治」の系譜(大村一真・川村覚文)
第1部 差別と国民国家――理論的考察――
第一章 近代主権国家における排除と差別の論理
――「公共圏」「統治」「聖なるもの」――(大村一真・茢田真司)
第二章 神・天皇・非人
――日本列島における差別の発生と深化の構造――(佐藤弘夫)
第三章 情動的存在と「モノ」の政治
――デジタルメディア社会における差別とネット右翼――(川村覚文)
第2部 差別と共生――世界の事例から――
第四章 被差別/非差別の主張とカースト制度
――「不可触民」であること、インド人であること――(舟橋健太)
第五章 ディアスポラと国民国家
――「ユダヤ人」であること――(上村 静)
第六章 フランスの世俗主義と「イスラムのヴェール問題」
(タラル・アサド/苅田真司訳)
第七章 〈ラルシュ〉共同体運動の「リアライゼーション」
――「健常者」を欲望しないこと――(寺戸淳子)
第3部 差別の構造――近代日本の事例から――
第八章 近代日本における生―権力と包摂/排除のポリティクス
――感化救済事業と部落改善事業の分析から――(関口 寛)
第九章 主権と「天皇の赤子」
――アイヌの「救済」というセトラーコロニアル・レイシズムの論理――(平野克弥)
第一〇章 「狐持ち」と結婚忌避(鈴木岩弓)
第一一章 低線量被ばく問題と現代日本社会
――「3・11」以後の避難者差別に関する一考察――(山本昭宏)
【終章】 差別を超えて(茢田真司)